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第八章【本録】〜March, 2002〜

連日ぽかぽか陽気で過ごしやすい3月中旬、いよいよ7月発売予定のソロCDのレコーディングがスタートしました。3月13日から三日間、会場は群馬県桐生市近くの笠懸町にある「笠懸野文化ホールPAL」。このホールは僕自身初めてですが、写真を見て分かるように期の素材を中心としたナチュラルな作りだけに、出ている音を損なわないナチュラルなそして程良い響きで、とても気持ちよく演奏出来そう。


Photo1録音に多く使われているこの会場の詳細はホームページ(http://www.sunfield.ne.jp/~kasakake/pal/pal.html)を見てください。


Photo2館長さん他会館の方へのご挨拶を済ませ、まずは初日のレコーディング。初日のピアニストは小池ちとせさん、このコーナーではすでに紹介済みですが、改めて言えば昔から大変お世話になっている大先輩です。


Photo3まずは念入りなセッティングとサウンドチェック。ピアノの位置決めだけでも慎重かつ大胆に、そして時間をかけて決める。


Photo4あ、ちなみにこの(↑)写真は小池さんの名誉のために書いておきますが、決して四股を踏んでいるのではなく、ピアノの位置を正確に伝えている様子です。これから録音する11曲を極力同じ環境で録音する為に、このセッティングとサウンドチェックはとても重要であり、スタジオと違ってホールならなおさら慎重にセッティングします。


Photo5さて、セッティングとサウンドチェックに時間がかかっている間にこっそりとコントロールルームに潜入。まずはメインの卓(ミキサー)。僕でも名前を聞いた事があるStuderというやつです。ここにメインエンジニアの桜井さんが座って、耳をとぎすませ音をチェックしながら操作します。


Photo6 次にサブの卓。ここにはメインレコーダーである僕でも知っているTASCAM A-DAT(確かそういう名前)、Hi8のビデオテープを使用してデジタル録音をします。他にもバックアップ用のDATや僕のお持ち帰り用MDの為のデッキなど沢山並んでいます。ここでは今回アシスタントを努めていただくサイフーすぎもとさんが(注・この件に関しては後程・・・)座って、録音スイッチを押す重要な役割をしています。またプレイバックの時にすぐに希望の場所を頭出し出来るようにタイムを計ってメモしています。その頭出しは希望通りの場所をすぐさま出してくれるので、本当に助かりました。


Photo7次の写真はテレビモニタです。コントロールルームは舞台裏の楽屋を使っているので、舞台の様子を見るためにこのテレビモニタがおかれています。


Photo8最後にここは、今回の仕掛け役BMGファンハウスの僕の担当ディレクター大西敬子様のデスク。大変ご多忙で、僕のレコーディング期間も別の仕事の締切に追われて原稿を書いていました。ペットボトルのお茶に詳しく、いつも色々なお茶を買って来てくれます。どうやら最近のマイブームは中国緑茶のようです。僕も好きです。


Photo9そうこうしている間にセッティングが完了、僕を含めたサウンドチェックがスタートします。これも同じ曲を何回も弾いて最良の状態になるまでチェックが続き、あっという間に数時間が過ぎ、結局録音する前に遅めの昼食と言う事になりました。


Photo10そしていよいよ録音開始、1曲につき数テイクを録り、ノイズやその他諸々のために多めにOKテイクを残しておきます。気持ちよいホールの響きで弾けば弾くほどヴァイオリンもピアノも楽器が鳴ってきて、演奏もエキサイト!Photo11


Photo12録音しながら微妙なマイク位置の調整もあり、試行錯誤しながら時間は過ぎていく。


Photo13そしてプレイバック、演奏者及びスタッフ全員で意見を交わしながら作り上げていく。とても重要な作業です。


Photo14大西さんと共に今回加わり、優しく、時には厳しくディレクションしてくれた野田智子さんや、写真右で心配そうに見つめている小澤音楽事務所の担当・名取さんと、この日の午後から日帰りの強行スケジュールで来た謎の見学者兼アドバイザーも一緒になって録り上がりに関して議論。


こうしてこの日は予定通り4曲完成しました。

Photo14


終了後はホテルの中にある日本酒バーで乾杯!改めてここで皆さんを紹介。


Photo15
写真左からピアニストの小池さん、メインエンジニアの桜井さん、小澤音楽事務所の名取さん、アシスタントエンジニアの杉本さん、


Photo16
真ん中の桜井さんの大きなお顔の手助けを借りて、顔を小さく見せている(いや、実際小さいです)素敵な美人コンビ、左から野田さん、そして大西さん。こうして初日が無事終了しました。


Photo17二日目、まずは泊まっているホテルを紹介!会場から車で20分強かかる山の上にある「ホテルきのこの森」です。詳細はホームページ(http://www.sunfield.ne.jp/~kinoko/)を見ていただく事として、まずは玄関で記念撮影。


Photo18そしてお部屋紹介!広めのツインルームだったのですが、飲み会、いや録音で忙しくてお部屋では寝るだけって感じでした。


Photo19国際きのこ会議のために建てられただけあって、お部屋のライトもきのこ。他にもきのこづくしでした。


Photo20そして部屋の窓からの景色は最高!左に市街地、右に山並みが見える絶好のロケーションです。Photo21


Photo22この日はまず無伴奏ヴァイオリンソロの曲を1曲録音。その後、この日からはピアニストが西脇さんに交代。このプロジェクトのために書いたオリジナル曲を中心に3曲を録音しました。演奏中も試行錯誤を繰り返し、完成に向けてコミュニケーションを図りました。Photo23


Photo24プレイバックでスタッフと共に色々と検討するが、オリジナル曲と言う事もあり演奏者としての自分と作曲者としての自分の狭間に立って悩む事もしばしば。


しかしながら周りの協力により、この日も無事目標の4曲を終了!


Photo25


桐生市内の居酒屋でお食事会、充実した夜を過ごしました。


Photo26そしていよいよ最終日、この日もオリジナル曲を中心とした3曲を録音予定。昨日同様オリジナル曲と言う事もあり、試行錯誤を繰り返したが、3曲全てを無事録音し、全11曲に渡る今回のレコーディングは無事終了しました。


3日間で11曲、多少きついスケジュールでしたが、成功したのは参加した全ての人々の協力のおかげです。あとはマスタリングを経て完成、そしていよいよ発売。店頭に並ぶ日を是非楽しみにしていてください。このコーナーではこれからも新しい情報、スペシャルな情報をお伝えしていきます。まずはスペシャル情報第一弾として収録曲の詳細をパスワード形式によって閲覧出来るようにしたいと思います。スナフキン(管理人)の準備が整い次第掲載する予定です。お楽しみに!


追伸・最後に、エンジニアの杉本さんの名前=サイフーすぎもとの由来を。たわごとでも速報でお伝えしましたが、ホテルについて最初の出来事として、杉本さんの財布が紛失?という悲しい出来事がありました。その後杉本さんの紛失したと思われた財布、車の上にあったという奇跡的な結末でしたが、走行中ではなく、ホテルの駐車場で車の屋根の上に置いてそのままにしたというのが判明。どのようにおいてしまったかというのを、証拠写真として掲載したいと思います。しかしこの話題が録音レポートのオチとは・・・最後まで笑いを振りまいてくれた杉本さんに拍手!
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