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第七章【前進】〜February, 2002〜

3月中旬の録音に向けて、この時期にしては暖かい2月の末からリハーサルが始まっ た。今回の録音では二人のピアニストがこのプロジェクトに参加してくれる。まず初 日はデモ録音でもお世話になった西脇千花さん。芸高−芸大を通じての後輩ではある が、その卓越した技術とセンスに脱帽の素晴らしい才能の持ち主である。西脇さんに はデモ録音でも取り上げたオリジナル曲4曲及びリアレンジ曲2曲をお願いしている。 リアレンジ曲はお得意のナンバーなので問題なし、しかしながらオリジナル曲に関し ては今回のソロプロジェクト用に書き下ろした長編組曲になっているので、リハーサ ルに関してもアンサンブルのみならず音楽を作り上げる点で多大な時間を要する。当 然参考資料もなく初めて目にする音楽ながら、僕の要求に的確に応えてくれる彼女の 力量は、CDで是非堪能して欲しい。
二日目に登場したピアニストは、まさに足を向けて寝られない、学生の頃から良きパ ートナーとしてお世話になっていた小池ちとせさん。芸高−芸大を通じての大先輩で あり、演奏のみならず一緒にスキーに行ったりと、プライベートでも大変お世話にな っている小池さんへのせめてもの恩返し(いや、恩を仇で返すことになるのか?)と いう気持もあり、忙しい中無理にお願いしました。小池さんにお願いするのは既存の クラシック曲2曲及びリアレンジ曲2曲の合計4曲である。僕が学生の頃から、試験、 コンサート、室内楽、その他色々なシチュエーションで共演していただいている事も あり、久々のアンサンブルとは思えないサポートぶりに大感激。風貌から伝わってく るダイナミックさ(小池さん、ごめんなさい!)と共に、それとは相反する繊細なプ レイは、これもCDで是非味わって欲しい。

今後再度のリハーサルを踏まえて、いよいよ3月中旬に群馬の山奥へ旅立ちます。
素晴らしい音響で評判のホールでの録音レポートは、第八章をお楽しみに!
楽曲の詳細も今後随時レポートしていきます。


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