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第五章【録音】〜June, 2001〜

6月中旬、早々に梅雨入りが宣言された直後の、ちょっとだけ晴れ間が覗いたこの日、デモ録音が行われた。
場所は都内の某スタジオ、午後一番にかけつけ、まずはスタッフとともにトークセッション。
ディレクターの太郎氏を始め多くは良く知る間柄、楽しいおしゃべりでリラックスしているところへ、女流ピアニスト花子女史登場。
前回同様クールな出で立ちにこちらも身が引き締まる思い。
そして録音が始まった。
まず1曲目、2度目とは思えない絶妙な呼吸感に大満足。
何度かトライして感じの違うテイクを二つ録音。
引き続き2曲目に入る。
今回のために書き下ろしたオリジナル曲のうちの1曲である。
表現能力を問われるアカデミックな曲故、演奏表現に苦労したが、花子さんのこれまた絶妙なサポートとセンスに刺激を受け、
満足なテイクがとれた。
3曲目のダイナミックな曲には、両者の情熱的なバトルが繰り広げられ、これまた満足のある仕上がり。
ディレクターの太郎氏も大絶賛。
引き続き4曲目は後藤のオリジナル曲の2曲目。
軽く証してしまうとラテン調の曲なのだが、これをあえてヴァイオリンとピアノというアカデミックな編成でトライ。
普段こういうスタイルに慣れていないはずの花子さんのタイトでダイナミックなプレイにただただ感動。
久々にぐっと来るピアニストに出会えたと、この曲で一番感じたのである。
最後に既存の曲を1曲、そして太郎氏のリクエストにより予定していなかったヴァイオリンの有名な小品曲を、何年ぶりかで演奏。
こうして全6曲の録音が終了した。
これを元に今後スタッフと共に何度もディスカッションを重ねて、方向性を考えていくのである。
結果を出すまでは時間のかかる作業が待っているが、どうか気長に待っていて欲しい。
その代わり完成した時には絶対的な自信を持ってお届け出来ることであろう。


写真集

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